【ドリアン】副次栄養素とミネラル#2 ヤギ糞の完全堆肥を使った場合

ヤギ糞の完全堆肥を使う場合、ドリアンに必要な副次栄養素(カルシウム、マグネシウム、硫黄)や微量ミネラル(鉄、ホウ素、亜鉛など)を自然に供給できます。ただし、ヤギ糞だけでは不足する可能性がある栄養素もあるため、適切な補助施肥を行うとより効果的です。


1. ヤギ糞堆肥の特徴

高窒素・高カリウム:葉や根の成長を助け、果実の品質を向上
豊富なミネラル:カルシウム、マグネシウム、鉄、ホウ素、亜鉛などを含む
pH調整効果:土壌の酸性化を抑える
土壌改良:有機物が多く、土壌の保水性・排水性を向上


2. ヤギ糞堆肥の施用方法

(1) 基本的な使い方

  • 施用量1本あたり10~15kg/年(成木の場合)
  • 施用タイミング
    • 植え付け時(根の発達促進)
    • 開花前(2~3か月前)(花芽形成を助ける)
    • 果実肥大期(果実の品質向上)
    • 収穫後(樹勢回復)
  • 施用方法
    • 木の根元から少し離れた場所に施用し、土と混ぜる
    • 水やり後、または雨の前に施用すると効果的

3. ヤギ糞堆肥で補える栄養素と不足しやすい栄養素

栄養素ヤギ糞堆肥で補えるか?補足対策
カルシウム(Ca)〇(適度に含む)必要に応じて苦土石灰を追加
マグネシウム(Mg)△(少量)硫酸マグネシウム(エプソムソルト)葉面散布
硫黄(S)〇(堆肥中に含まれる)
鉄(Fe)〇(有機物による供給)酸性土壌では吸収されにくいので、pH管理を徹底
ホウ素(B)△(少量)ホウ酸葉面散布(開花期)
亜鉛(Zn)△(少量)硫酸亜鉛葉面散布(成長期)
マンガン(Mn)
銅(Cu)
モリブデン(Mo)△(少量)土壌に微量要素肥料を追加

4. ヤギ糞堆肥を使う際の注意点

完熟堆肥を使用する:未熟な堆肥はアンモニアや有害ガスを発生し、根を傷める可能性がある。
pHをチェックする:ドリアンの適正pH(5.0~6.5)を維持するため、必要に応じて苦土石灰を追加。
過剰施用に注意:ヤギ糞は窒素が多いため、過剰に施用すると葉ばかり茂り、花や果実の成長が阻害される。
微量ミネラルの補充:鉄・ホウ素・亜鉛などは不足しがちなので、葉面散布や微量要素肥料で補う。


5. まとめ

ヤギ糞堆肥はドリアン栽培に適した有機肥料で、土壌を豊かにしつつ多くの栄養素を供給できます。しかし、マグネシウム、ホウ素、亜鉛は不足しやすいため、適宜葉面散布や補助施肥を行うとより良い生育が期待できます。

ヤギ糞堆肥でリン(P)は補えるのか?

ヤギ糞堆肥にはリン(P)が含まれていますが、その含有量は中程度で、必ずしも十分とは言えません。リンの供給量は家畜の飼料や堆肥化の過程によって変動します。


1. ヤギ糞堆肥のリン含有量

一般的なヤギ糞堆肥の栄養素含有率は以下のようになります:

成分含有率(乾燥重量基準)
窒素(N)1.5~3.0%
リン(P₂O₅)0.5~1.5%
カリウム(K₂O)1.2~3.5%
カルシウム(Ca)1.0~2.5%
マグネシウム(Mg)0.3~1.0%

ヤギ糞堆肥のリン含有量は、家畜糞の中では中程度
リンの即効性は低く、土壌で徐々に分解・供給される
家畜の食事(飼料のリン含有量)により変動

→ 単体での施用では不十分になる可能性があるため、補助的なリン供給源が必要。


2. ヤギ糞堆肥と相性の良い天然リン供給源

ヤギ糞堆肥と組み合わせることでリンを補給できる天然素材を活用すると、より安定した栄養供給が可能です。

(1) 骨粉(Bone Meal)

リン(P₂O₅)含有量:10~30%(速効性~遅効性)
施用方法

  • 1本あたり 200~500g/年 を土壌に混ぜる
  • 開花2~3か月前に施用すると、花芽形成を助ける
    効果:リンの補給と同時にカルシウムも供給できる

(2) 魚粉(Fish Meal)

リン(P₂O₅)含有量:4~6%
施用方法

  • 1本あたり500g~1kg/年 を施用(2~3回に分けて)
  • 速効性があるため、成長期や開花期に有効
    効果:窒素も豊富なので、成長促進にも役立つ

(3) 鶏糞堆肥(ヤギ糞との併用)

リン(P₂O₅)含有量:2.0~4.0%
施用方法

  • 1本あたり2~3kg/年 を施用
  • ヤギ糞と混ぜて使うとバランスが良い
    効果:リンを多く含み、即効性がある

(4) リン鉱石(Phosphate Rock)

リン(P₂O₅)含有量:25~35%(遅効性)
施用方法

  • 1本あたり 200~400g/年 を施用
  • pHが酸性寄りの土壌(pH5.0~6.0)で分解されやすい
    効果:ゆっくり溶けるため、長期的なリン補給が可能

(5) 草木灰(特に果樹の枝由来)

リン(P₂O₅)含有量:2~4%
施用方法

  • 100~200g/年 を土壌に混ぜる
    効果:アルカリ性なので、pHが上がりすぎないように注意

3. 効果的なリン補給の施用戦略

ヤギ糞堆肥:基本的な有機物と微量リンを供給
骨粉 or 魚粉:開花期や成長期のリン補給(速効性+持続性)
鶏糞堆肥 or リン鉱石:長期的なリン供給(遅効性)
草木灰:補助的なリン供給(pH管理を考慮)


4. まとめ

ヤギ糞堆肥だけではリン供給がやや不足する可能性があるため、以下の天然素材と組み合わせるとより効果的。

短期的な補給(即効性)魚粉、骨粉、鶏糞堆肥
中期的な補給(バランス型)ヤギ糞堆肥 + 鶏糞堆肥
長期的な補給(遅効性)リン鉱石、草木灰

このように組み合わせることで、化学肥料を使わずに安定したリン供給が可能になります。


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