ヤギ糞堆肥には、植物の成長に重要な窒素(N)とカリウム(K)が含まれています。これらは主に有機化合物と無機化合物の形で存在し、堆肥の発酵・分解過程によって植物が吸収しやすい形に変化します。
1. 窒素(N)の化合物
ヤギ糞堆肥の窒素は、主に有機態窒素として存在し、堆肥化の過程で無機態窒素に変化します。
(1) 有機態窒素(堆肥の中に多く含まれる形)
✅ タンパク質(Protein, C-N結合)
- ヤギの未消化の植物成分や腸内細菌由来のタンパク質
✅ アミノ酸(Amino Acids, -NH₂基)
- タンパク質の分解によって生成される
✅ 核酸(DNA, RNA)
- ヤギの腸内細菌や細胞残渣から供給される
(2) 無機態窒素(分解後に植物が吸収できる形)
✅ アンモニウムイオン(NH₄⁺)
- タンパク質やアミノ酸がアンモニア発酵で分解されると生成
- 土壌の微生物が利用しやすい
✅ 硝酸イオン(NO₃⁻)
- アンモニウムイオンが**硝化菌(Nitrosomonas, Nitrobacter)**の働きで酸化されると生成
- 植物が根から直接吸収しやすい
✅ 尿素(CO(NH₂)₂)(堆肥化前の新鮮な糞に含まれる)
- 微生物によって分解され、アンモニアや硝酸へと変化
2. カリウム(K)の化合物
カリウムは有機物ではなく、主に無機塩の形でヤギ糞堆肥に含まれています。カリウムは土壌中で比較的溶けやすいため、堆肥化が進むとすぐに利用可能になります。
✅ 塩化カリウム(KCl)
- 最も一般的な形態
- ヤギの食べた植物や水分から供給される
- 水溶性で、植物の細胞活動や浸透圧調整に役立つ
✅ 硫酸カリウム(K₂SO₄)
- 一部の堆肥には硫黄分が含まれているため、硫酸カリウムの形でも存在
- 塩害を起こしにくいため、作物に優しい
✅ リン酸カリウム(K₃PO₄, K₂HPO₄, KH₂PO₄)
- リンを多く含む土壌や添加資材がある場合に形成
- リンとカリウムの両方を供給できる
✅ 有機態カリウム(細胞液中のK⁺イオン)
- ヤギの糞に含まれる未消化の植物成分に由来
- 堆肥化の過程で無機態に変わる
3. まとめ
| 栄養素 | 有機態(分解前) | 無機態(植物が吸収できる形) |
|---|---|---|
| 窒素(N) | タンパク質、アミノ酸、核酸、尿素 | アンモニウムイオン(NH₄⁺)、硝酸イオン(NO₃⁻) |
| カリウム(K) | 有機物の中のK⁺イオン | 塩化カリウム(KCl)、硫酸カリウム(K₂SO₄)、リン酸カリウム(K₃PO₄) |
✅ 窒素(N)は、タンパク質 → アミノ酸 → アンモニア → 硝酸の順に分解され、最終的に植物が吸収
✅ カリウム(K)は、主に無機塩(KCl, K₂SO₄)として存在し、速やかに植物が利用可能
→ ヤギ糞堆肥を利用する場合、適度な発酵を行うことで、窒素とカリウムを効率よく供給できる!



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