【Trichoderma】懸濁液を用いた種子処理の方法

目的
Trichoderma を種子処理することで、発芽促進、病害抑制、根の活着向上を図る。


1. 必要な材料

  • Trichoderma 製剤(粉末または液体)
  • (清潔な水、蒸留水が理想)
  • 界面活性剤(オプション)(Trichoderma の定着を良くするため)
  • 撹拌用の容器(バケツ、ビーカーなど)
  • 種子(対象とする作物の種)
  • 濾網やペーパータオル(種子の乾燥に使用)

2. 懸濁液の調製

(1) 基本的な濃度設定

推奨される Trichoderma の濃度は 10⁶~10⁸ CFU/mL(コロニー形成単位)
商業製剤のラベルに従い、適量を調整。

製剤の形状標準濃度の調製方法
粉末タイプ(WP)5~10 g/L の水
液体タイプ(SC)10~20 mL/L の水

(2) 懸濁液の作成手順

  1. 水の準備:清潔な水を容器に入れる。
  2. Trichoderma 製剤の添加:上記の濃度で混ぜる。
  3. 攪拌(撹拌):均一になるようによく混ぜる(5~10分)。
  4. 界面活性剤(オプション):0.1%(例:Tween 20や天然のサポニン)を加えると定着率が向上。

3. 種子処理の方法

(1) 浸漬処理(Seed Soaking)

目的:種子全体に Trichoderma を定着させる
適用作物:米、麦、野菜種子、マメ類、トウモロコシなど

手順

  1. 準備:作成した Trichoderma 懸濁液を適温(20~30℃)に調整。
  2. 種子を浸漬
    • 穀類(イネ、麦) → 6~12時間
    • 野菜類(トマト、ナス、キュウリなど) → 30分~2時間
    • マメ類(大豆、インゲン) → 4~6時間
    • トウモロコシ → 2~4時間
  3. 種子を取り出す:浸漬後、余分な水を切る。
  4. 乾燥
    • 日陰で風乾(20~30℃) し、表面が乾くまで(2~4時間)。
    • 直射日光や高温で急速乾燥しない(菌の定着を妨げる)。
  5. 播種(処理後すぐに播種するのが理想だが、24時間以内に行う)。

(2) コーティング処理(Seed Coating)

目的:種子の表面に Trichoderma を付着させ、定着率を高める
適用作物:小麦、イネ、マメ類、野菜種子など

手順

  1. 懸濁液の作成(濃度は浸漬処理と同じ)。
  2. 種子を濡らす(霧吹きなどで湿らせる)。
  3. 懸濁液を少量ずつ振りかけながら、均一に混ぜる(1~2分)。
  4. 乾燥:風通しのよい場所で自然乾燥(2~4時間)。
  5. 播種(乾燥後すぐに行う)。

(3) 直接粉末処理(Dry Seed Treatment)

目的:乾燥した Trichoderma 粉末を直接種子に付着させる
適用作物:豆類、小麦、トウモロコシなど

手順

  1. 種子 1 kg に対し Trichoderma 粉末を 5~10 g ふりかける
  2. 均一になるように手で混ぜる(袋や容器内でシェイク)
  3. すぐに播種するのが理想だが、乾燥保存も可能(短期間)

4. 温度管理

  • 種子処理時の温度:20~30℃(高温すぎると菌が死滅する)
  • 処理後の乾燥温度:20~30℃(直射日光や乾燥機での急速乾燥は避ける)
  • 保存温度(処理済み種子):15℃以下(菌の活動を抑えつつ生存させる)

5. 注意点

  1. 播種直前に処理するのが最適(長期間保存すると菌が減少)。
  2. 殺菌剤と併用しない(化学農薬は Trichoderma の生存を妨げる)。
  3. pH に注意(pH 4.5~7.5 で活性が高い)。
  4. 水の質に注意(塩素を含む水道水より蒸留水や井戸水が理想)。

6. まとめ

方法処理時間適用作物ポイント
浸漬処理30分~12時間穀類、野菜、マメ類深く浸透、根の活着向上
コーティング処理1~2分小麦、野菜、イネ乾燥保存可能、均一に付着
粉末処理即時小麦、豆類最も簡単、即時播種が理想

この方法で Trichoderma を種子に処理することで、病害防除と発芽率向上が期待できます。


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